ヘタレ王子とヤンキー姫
理名は息子の帰宅を待つ。

今までずっと、自分に依存されていて、正直将来が心配だった。


もし、自分がいなくなったら、春樹は生きていけるのだろうかと。


高校生になり、樺音たちと出会い、もしかしたら、この3人が春樹を変えてくれるかもしれないと思った。


けれど、3人ともありのままの春樹を受け入れてくれた。

そして、学校以外では一人で外に出たがらなかった、春樹がよく出掛けるようになった。

理名はそんな春樹の成長が、嬉しくもあり、少し寂しくもあった。

そして、春樹に好きな人ができたとき、ちょっとだけ樺音に妬いてしまった。

けれど、関わっていくうちに、不器用で、正義感が強くて、面倒見のいい樺音を、いつしか娘のように思っていた

大事な息子と娘が幸せになると思うと、いつしか嫉妬心もなくなっていた。

少しは自立しんを身に付けてほしいと、いれたヤンキー校だった。自立心が身に付けられたのはわからないが、大切な仲間に出会えた春樹を見て、いれてよかったと今心から思っていた。
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