略奪愛
「ありがとうございました、雄大さん」


「ああ…いいよ」


雄大さんの名前を出されるとピクッと体が跳ねる


なにやってるの私!
明らかに解りやすいじゃない!



「奏いくよ」


「う、うん…ありがとうございました…」


ニコッと笑いお辞儀をした


「気にしないで、またおいで?」


そっと顔を上げれば

綺麗な笑顔が見えた


「じやぁまた、雄大さん」

ゆう君が先を行き、後ろを向いた瞬間


ポン…と方に手を置かれてサッと首筋に触る


「……!?」


「またね?奏………ちゃん?」


"ちゃん"って…

付け加えたみたいに言った?

でも…
"奏"って言ったとき聞き覚えがあった感じがした


そして首筋をなぞる指先

後が付いている部分に来たとき…

"個々についてるよ"
と…教えてくれてるようにトントンってした…


「はい…」


平然を装うように
返事をした…つもり
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