会いたい
「ひゃあっ!!」
いきなり目の前で透けた手が振られて、私は情けない声をあげた。
顔を上げると、幽霊は心配そうな顔でこちらを見ていた。
私の手が、いつのまにか止まって何も書かなくなったので、おかしいとでも思ったのだろうか。
「――ああ、ごめんね。ちょっと考えごと。どこまで話したっけ」
私はまた、言いながら書いた。
幽霊は、私の話を飽きる様子も見せずに、それどころか、本当に嬉しそうに聞いてくれていた。
幽霊が自分のことを話せない分、私はたくさん透のことを話した。