リンデン氏の書棚【完】
「ねぇ、ダメ?」
首を傾け、可愛らしくそう言うルキア。
そんな顔で言われたら断れないじゃないか。
彼は溜め息をつくと
「分かったよ。ただし、いいかい。この本に書いてあることは絶対に声に出して読んではいけないよ。もし声に出したらどうなるか分からないからね」
そう忠告し、彼女がその本を持ち帰ることを許した。
「うん、分かった!!」
満面の笑みを向けるルキア。
彼が彼女の声を聞いたのはそれが最後だった。