夏恋~小さくて素敵な恋~
昔から顔と名前を覚えるのが苦手だ。
だから、ちゃんと顔も覚えて、名前も…
そんなことを一人で考えていると、
「あ、そうそう。松岡はあっちのコート。他の三人はもう行ったぞ。」
「えっ!」
いつの間に!?
良く見ると、三人とも向こうにいる…。
またボーっとしてて出遅れてしまった。
「教えてくれて、ありがとう!」
塚原くんにお礼を言って、あたしは里美達の所へと走った。
里美と奈々ちゃんは相変わらずダルそうにしてたけど、ちゃんと試合に参加していた。
「奈々ちゃん!」
奈「あ、奈留。遅いよ~。」
「教えてくれればよかったのに!」
奈「声かけたよ?聞いてなかったの?」
「そうなの?塚原くんが教えてくれなかったら探しにいこうとしてたよ。」
奈「へぇ、塚原が教えてくれたんだ。」
「うん。知ってる人?」
奈「うん。中学一緒だったから。」
「そうなんだ。」
塚原くんってどんな人なのかな?
イメージは爽やかってかんじ。
笑顔が爽やか?
そもそも爽やかとは???
ん~…。
奈「どうしたの?」
「えっ、いや、なんでもない。」
奈「本当に~??」
「本当にっ!」
ニヤニヤしている奈々。
もしかして何か企んでる??