夏恋~小さくて素敵な恋~
わぁ…。
塚原くんのシュートは綺麗だった。
ぶれない姿勢とフォーム。
運動が苦手なあたしでもわかる。
エースであるのがわかるぐらい、塚原くんがバスケが上手だということも理解できた。
まだまだ塚原くんのシュートは続く。
あたしはその様子をずっと見ていた。
バスケをしている塚原くんはすごく楽しそうで…。
目が離せなかった。
ボールがリング当たり、塚原くんの後ろへと飛ぶ。
パッと後ろを振り返った塚原くん。
ドアに立っていたあたしと目が合った。
「あ、松岡。」
後ろを振り返った塚原くんにちょっとドキッとする。
ボールが近くまで転がってきた。
それを拾い上げる。
なぜだか少し緊張した。
「どうした?」
「タオル…忘れちゃって。」
いつの間にか目の前に塚原くんがいた。
あの距離からここまで。
さすがバスケ部エース。
ボールを手渡す時、ますます緊張してしまった。