夏恋~小さくて素敵な恋~
そして、突然のお誘い。
「何を?」
「バスケ。」
バスケという言葉を言っただけで、塚原くんはもっと笑顔になった。
「一緒にやろうよ。」
「…うん。」
すごく楽しそうな笑顔で言うから、ついつい頷いてしまった。
おずおずとコートに入る。
ゆっくりドリブルしながら、塚原くんがバウンドパスをしてきた。
それをぎこちなく受け取り、リングにシュー…ト?
…できなかった。
リング下にいたのに、シュート出来ず…。
これってもう破壊的。
そして恥ずかしい。
「ごめん…。」
思わず謝った。
「もしかして、松岡バスケ苦手?」
「うん…。運動が苦手…。」
本当に恥ずかしい…!!!
「じゃあ、俺が教えてやるよ!」
「えっ?」
「俺、一応バスケ部だから。」
「知ってるよ。」
知ってる。
奈々ちゃんから教えてもらったこともあるけど、
さっき、あんなに楽しそうにバスケしてたもん。
好きなことが伝わってくるぐらい。