夏恋~小さくて素敵な恋~
「松岡?」
あたしの名前を呼ぶ声もすごく心地好くて。
もっと名前を呼んでほしいと思った。
今までこんな気持ちを持ったことない。
なんでそう思うのだろう。
目の前に広がる笑顔。
ずっと見ていたいと思った。
なんで?
やっぱり爽やかと関係が???
不思議…。
「おーい!松岡奈留!」
「へっ?あ、はいっ!」
一段と大きな声が聞こえ、ビクッと体が反応する。
目をパチパチさせて今の状況を見た。
いつの間にか塚原くんの手はボールから離れ、あたしの目の前で手をヒラヒラさせていた。
いけない、ボーッとしちゃった!!!
あたしの悪い癖。
「ごめんっ。」
「大丈夫か?なんか顔赤いぞ?」
「だ、大丈夫っ!」
「そうか?…じゃあ、やろうぜ。」
「…うん。」
目の前から塚原くんが消えて
視界にまたリングが現れる。