夏恋~小さくて素敵な恋~



「松岡?」



あたしの名前を呼ぶ声もすごく心地好くて。



もっと名前を呼んでほしいと思った。



今までこんな気持ちを持ったことない。



なんでそう思うのだろう。



目の前に広がる笑顔。



ずっと見ていたいと思った。



なんで?


やっぱり爽やかと関係が???



不思議…。






「おーい!松岡奈留!」

「へっ?あ、はいっ!」



一段と大きな声が聞こえ、ビクッと体が反応する。



目をパチパチさせて今の状況を見た。



いつの間にか塚原くんの手はボールから離れ、あたしの目の前で手をヒラヒラさせていた。



いけない、ボーッとしちゃった!!!


あたしの悪い癖。


「ごめんっ。」

「大丈夫か?なんか顔赤いぞ?」

「だ、大丈夫っ!」

「そうか?…じゃあ、やろうぜ。」

「…うん。」



目の前から塚原くんが消えて



視界にまたリングが現れる。



< 29 / 102 >

この作品をシェア

pagetop