夏恋~小さくて素敵な恋~
おでこの上にボールを構え、ボードの四角の角を狙う。
ジャンプしてボールをポンッと押し出した。
ボールはボードに当たり、
リングに入った。
塚原くんみたいに綺麗じゃなかったけど、確かに入った。
「おぉ!松岡上手いじゃん!」
「よかったぁ、入って!」
「もう一回やってみようぜ!」
「うん!」
あたしは何回も何回もシュートの練習をした。
そのたびに塚原くんが優しくアドバイスしてくれた。
そして一緒にパスの練習もした。
その時間がすごく楽しくて。
暑さなんて全然気にならなかった。
こんなことってあるのだろうか。
「ほい。」
「ありがとう。冷たっ!」
一先ず休憩。
塚原くんが冷たい缶ジュースを持ってきてくれた。
缶ジュースは本当に冷たくて、おでこにくっつけると気持ち良かった。
「ふぅ~。」
「頑張ったな、お疲れ。」
「ううん!本当に楽しかった。ありがとう。」
「俺も。明日、頑張ろうな。」
「うん!」
身体を動かすのって本当に楽しいことなんだな。
苦手だったけど、バスケもいいかも。
そんなことを思い始めていた。
制服はちょっと汗ばんでいた。