夏恋~小さくて素敵な恋~



隣から聞こえてくる話に、さっきから短い返事しかしてない。



緊張して上手く喋れなかった。



楽しくないって思われているかも…。



もしかしたら、つまんないとか思われてるかも…。



あたしはちょっと心配になり、隣にいる塚原くんを見た。



でも、塚原くんはずっとニコニコしながら楽しそうに話していた。



その笑顔に少し安心した。



それからだんだん話せるようになってきて。



あっという間に家に着いてしまった。



「ここが、あたしの家。」

「綺麗な家だな」

「ありがとう。あ、それから送ってくれてありがとう!」

「いいよ。じゃあ、また明日な!」

「うん、また明日。」



塚原くんに手を振った。



また明日…



素敵な言葉だ。



また明日も会えるという約束みたいな。



会える事が楽しみと思っているあたしがいた。



塚原くんの背中を見送りながら、今までにない気持ちに戸惑っていた。



変なの…



やっぱり今日は変だ…。



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