夏恋~小さくて素敵な恋~
「松岡~、竹田~!よくやったぞっ!」
すごく大きな声が響き、担任の先生が走ってやってきた。
その瞬間、塚原くんの体が離れ視界が一気に広くなった。
でも、まだ胸のドキドキは収まらなくて。
呼吸するのがやっとだった。
勝ったことの喜びと、抱きしめられた驚きと、運動した後のせいか、鼓動はとても速くなっていた。
どうしてこんなにドキドキするの??
初めて男の子に抱き着かれたから…?
試合に勝ったから…?
みんなに褒められてるから…?
グルグルと頭の中を巡る疑問に、あたしはついていけない。
一体、なんなんだ。