夏恋~小さくて素敵な恋~


「松岡さん、ナイスだったよ!」


竹田くんが目の前に現れ、ようやく言葉を発した。


「ありがとう。でも、竹田くんが来てくれなかったら負けてたよ。」

奈「でも、奈留よく先に走ったね。」

晴「うんうん、バスケのことちゃんとわかってるなんてすごいよ!」

「そ、そうかな?ありがとう。」


わかっていたのかどうかはさておき、今までのあたしだったらリング下に先に行くなんて考えられなかった。


そうさせたのは、きっと。


昨日、塚原くんと一緒に練習したからだろうなと思う。



あたしは、盛り上がっているみんなの中を見渡した。



リングにボールが入るコツとか、シュートが決まった時の喜びとか、教えてもらっていたから頑張れたと思う。



笑顔で友達とハイタッチする塚原くんを見つけた。



教えてくれたのは塚原くん。


今日勝てたのは、紛れもなく塚原くんのお陰だ。




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