ふたりの練習曲 ~Raita side~
「はい、こんなんで良い?」

つい見とれてぼーっとしていたら、急に顔をあげた彼女と、おもいっきり目があってしまった。

うわっ、マジで好みかも・・・

「・・・ん、何?」

じっと見つめる俺があまりに不審だったのか、眉根に小さな皺を寄せ、彼女は訝しげな顔をつくった。

「あっ、べつに・・・いや、あのー、だから・・・」

何か話さなきゃと思って、でも何も思いつかなくて・・・

てんぱった頭でいろいろ考え、結局前から気になっていた疑問をぶつける。

「そーいえば、その板って何?」

合せの練習日に板ガムみたいなのをくわえた部員がいて、ずっと気になってた。

それと同じものを、さっきから彼女がくわえていて、正体が知りたくなった。

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