-キミの声が聞きたくて-
なに、あの格好。
キャミの上から白の薄いTシャツ。
下はデニム生地のミニスカ。
超可愛いんだけど……
極めつけは髪型。
いつもは2つにわけて結ばれている長い髪の毛が、今日はお団子。
うなじ、ヤバいんですけど……
そんな風に思いながらも、焦りがバレないように平然とした顔で2人をみる。
「あ!坂井くんだ!!やっほ~おはよ~」
朝からテンションの高い長野は手をブンブンと振っている。
「ははは……おはよ」
そんな長野に俺は苦笑い。
ペコリ。
目の前にやってきた美和は“おはよう”のつもりかお辞儀をする。
「“おはよう”は、こうだろ……?」
俺はそう言うと美和の手を頭の位置まであげ、自分の拳と重ねた。
「…俺たちの“おはよう”だろ?」
俺がそう呟くと、美和は満面の笑みになって、コクン。と力強く頷いた。