-キミの声が聞きたくて-
美和side

今日は夏休み初日。

そして、お泊まりの日。
肩からは小さめのバッグを提げ、片手にはキャリーバッグ。


ちょっと多かったかなとも思ったけど、修学旅行以外でお泊まりなんて初めてで、何を持って行っていいのか分からなかった。

自分は案外ダメなのかもしれない。と、自信消失しかけながらも何とか雫との集合場所である“朔公園”まで来た。


今の時刻は9時50分。

もう直に雫が来るかな。
と思いながら辺りを見回す。


「美和~~♪」

いた。

後方からルンルンな足取りで走る雫が見えた。

ブンブン。

私は雫に向かって手を振る。


「おっはよ~」


テンション、高いなぁ(笑)
ま、しょうがないか。

大好きな水野くんとの初お泊まりだもんね。

しかも水野くんの別荘で。


すっごい嬉しいんだろうなぁ。

女の子って感じだなぁ。
ルンルンの雫を見ながら、微笑ましくなった。






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