-キミの声が聞きたくて-
「着いたぁ~!!」
車から降りるなり、背伸びをしながら大声を響き渡らせる雫。
キャラ、変わってない…??
ま、いっか。
楽しそうだし。
そんな風に雫に見とれていると、すっかり置いて行かれてしまっていた。
すると、
「……いくぞ」
そう言って前を見たまま私の手を引く陸翔。
え…?!
何かよく分からないけど……
嬉しい。
陸翔の手が触れる私の手首が、熱くて仕方ない。
大きなキャリーバッグを引きながら、陸翔に連れられてひときわ目立つ建物に向かう。
でか………