-キミの声が聞きたくて-
建物に入ると、雫と水野くんがやけにニヤニヤしながら私たちを見て来たけど……気にしない。
「部屋、案内するよ」
そう言って自分の荷物を持つ水野くん。
そんな水野くんにならって私たちも自分の荷物を手にとる。
「こっち」
と言って階段を上り始める水野くん。
ログハウスみたいで、素敵な建物だなぁ~……
辺りを見回しながら階段を上ろうとすると、
「…俺が持つよ」
なんて男前な発言をする陸翔。
それを見て水野くんも、雫の荷物を取る。
おぉ、さまになる……!!
そんな2人に感謝しながらも、雫と照れつつ階段を上った。
「奥が俺で、俺の向かいが雫。その隣が真田さんで、その向かい……つまり、俺の隣が陸翔ね」
各自の部屋を指差しながら説明してくれる水野くん。
……隣は雫で、向かいは陸翔。
なんか、ちょっと緊張しちゃうな。