-キミの声が聞きたくて-
「さ、美和。ご飯作るわよ」
そう言って私の手を引き階段を降りる雫。
チラッと壁にかかっていた時計を見ると、確かにもうすぐお昼。
なに、作ろっかなぁ♪
私、こう見えて料理が大好き。
しかも、水野くんの別荘のキッチンはとても広くて綺麗。
料理が楽しそう…!!
ルンルンで向かったキッチンは、やっぱり綺麗で。
“何、つくる?”
手話で雫に尋ねると、
「うーん…。…何が作れそう?」
冷蔵庫を開けながら材料を確認する雫。
“……スパゲティにしようか。”
私が提案すると、
「いいね♪トマトとクリームソースとミートソース……何味にしようか…」
悩んでいると、
「「トマトソース!!」」
陸翔と水野くんが同時に叫ぶ。
オープンキッチンだから、2人が乗り出して来たことに驚いた。
トマトソースか………いいね♪
トマトは夏のお野菜だしね。
それから雫と2人でスパゲティの準備を始めた。