-キミの声が聞きたくて-
それからものの数分で全員が間食し、後片付けは俺たち男子がすることに。
美和と長野はと言うと、長い間車に乗ってて疲れたのか部屋に戻ったみたいだ。
「なぁ、」
食器を洗いながら話しかける俺。
「ん…?」
食器を拭きながら答える直人。
「…長野に気持ち、伝えんだろ?」
俺がそう言うと、真っ赤な顔になる直人。
うお、珍しい。
「……出来れば、な。」
ちょっと弱気な直人。
「…やっぱりバーベキューのあととか?」
「…まぁ、一緒に散歩に行きたいかなって…///」
俯きながら答える直人。
初々しいなぁ。
「散歩かぁ。夜の海辺ってなんかいいよな。」
そう言うと、
「陸翔は…?」
“陸翔は…?”………?
俺は、フられたんだぞ…?
なのに、もう一回なんて無理だ。
「俺は……ま、いいじゃん。俺も疲れたからちょっと昼寝でもするわ」
そう言って直人に手をヒラヒラ振ると、
「……おぅ」
力無い返事が返って来た。
……直人も、悩んでんだよな。