-キミの声が聞きたくて-
「ちゃんと背負って、逃げないで生きて行けば……頑張っていれば、そんな思い出に負けない“強い自分”になれるって、俺は信じてる。」
ツー……っと、暖かいものが頬を伝うのがわかる。
陸翔はきっと、私なんかより辛い思いをたくさんしてきたんだよね……?
陸翔の瞳からも静かに涙がこぼれる。
「だから、美和が重みになれるまでは、一緒に背負ってあげる……」
そう言って私の涙を人差し指で拭ってくれる陸翔。
そんな陸翔に私はコクンと頷いた。
私、忘れないよ……
ちゃんと、背負うから。
……負けないよ。