-キミの声が聞きたくて-
美和side


ちゃんと、伝わった。

だけど、陸翔がどう思ってるのか分からない。

陸翔の言葉を待つ。



「今の……取り消して…?」


陸翔の口から出たのは、そんな言葉だった。


やっぱり、ダメだったか……

陸翔はきっと、雫が好きなんだ。
あんなにも嬉しそうに雫のこと見てたもんね。


結構、キツいなぁ。

ヤバい、泣いちゃいそう。
出てくるな、涙。


必死に涙をこらえて上を向いていると、



「俺、美和のことがずっとずっと好きだった。」

突然、陸翔が私の肩を掴んで言う。


……好き“だった”。

その言葉が胸に引っかかる。


「……今も、好きだ。だから、俺と付き合って下さいっ」


顔を真っ赤にしていう陸翔。


え……?
“今も”って、言った?
“付き合って下さい”って、言った?


何がなんだか分からないけど、それって、つまり………両思い。なんだよね?





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