-キミの声が聞きたくて-
「今から…ひま…?」
両膝に手をついて肩を揺らす陸翔。
ちょっと、待って………
陸翔今、“今からひま”って、聞いた?
ってことは………
もしかしたら、もしかする………?
コクン、コクン。
首を縦に何回も振る。
今日は平日だから、どうせ家に帰っても誰もいない。
大人に夏休みなんてないし。
そう思って大いにうなずくと、陸翔は“良かった”って笑った。
「これから…俺とデートしない…?」
躊躇いがちに、照れながらも誘ってくれた陸翔。
“デート”
その響きに胸が高鳴る。
は、初デートだぁ……………
“する”
私は口パクで陸翔に伝えた。
すると、
「よっしゃーっ」
って陸翔がガッツポーズした。
ふふ、なんだか可愛い。