-キミの声が聞きたくて-
ガチャン。
扉を開けるとそこには、汗だくの陸翔。
「ごめっ…遅く…なった」
はぁはぁと息を切らしながら自分を手のひらであおぐ陸翔。
“ちょっと上がってく?”
玄関にあるホワイトボードに私がそう書き陸翔に見せると、
「いいの…?」
ビックリしている陸翔。
“お昼ご飯、食べていって”
「マジ……?」
一瞬、嬉しそうな顔をする陸翔。
期待しちゃうよ……
“美味しく出来るかは分からないけどね”
そう書きながら笑みをこぼすと、陸翔は「そりゃ楽しみだ」って笑った。
今気づいたけど……
陸翔、着替えてる。
TシャツにGパン姿というなんともラフな格好なのに、こんなにもカッコいいのは何でだろう……
あ、そっか。
陸翔だからか。
……なんて。
舞い上がっちゃうよ。