-キミの声が聞きたくて-
「ごちそうさまです」
私より一足先に陸翔が冷やし中華を完食した。
「美和、料理巧いのな」
私を見ながら話す陸翔。
そんなことはないと思うけど、陸翔にそう言ってもらえると嬉しいな。
それから暫くして私も冷やし中華を完食した。
片付けをしていると、陸翔が“ご飯のお礼に”って食器洗いを手伝ってくれた。
こういうトコ、尊敬しちゃうな。
「……どっか、行こうか」
突然陸翔が言い出した。
“どっか行こうか”
これって、デートのお誘いだよね?
すごくすごく嬉しい。
“コクン”
私は陸翔に大きく頷いた。
「どこか…行きたい場所ある?」
優しい陸翔は何でも私を優先してくれる。
“陸翔と一緒なら、どこでも”
ゆっくりと口パクでそう伝えると、陸翔は真っ赤になった。