-キミの声が聞きたくて-
……………………
それから、陸翔は個室の病室に入れられた。
「アナタ、お名前は?」
陸翔の眠るベッド脇にあるイスに腰掛けながら、山城さんが話しかけて来た。
「あ…真田です。真田、美和です。」
「そう。陸翔とは、付き合ってるの?」
思わぬ質問に、戸惑いながらも素直に答えた。
「…はい…」
「…そう。陸翔、学校ではどう?楽しそうにしてる?」
「はい、とても。友人も多いですし、明るくて親しみやすくて……人のことを一番に考えてて、みんなから慕われています。」
「陸翔のこと、よく見てるのね」
ふふふ、と彼女は笑った。
「…はい。陸翔、くんにはたくさん助けられましたから。」
陸翔のおかげで、私は、私らしくいられたから。