-キミの声が聞きたくて-
門の前に立つ夏美は、心なしか悲しそうにしていた。
「…夏美……」
私たちは夏美に近寄った。
すると、
「ご、ごめんなさい………っ!!」
夏美の目から溢れる涙。
ワケが、分からなかった。
「私…!私…!」
その場に泣き崩れる夏美。
「……とりあえず、場所かえよ」
そう言ったのは雫。
雫からは怒りが読み取れた。
私は、怒ってなんかいられなかった。
「…………うん」
雫の言葉に気弱そうに答えた夏美。
一体夏美は、何をしに来たのだろうか。
何を、謝っていたのだろうか。