-キミの声が聞きたくて-



それから私たちは公園に来た。

「……話は?」
雫が夏美に冷たくあたる。

「……私、自分が何をしたのか、分からなかったの……


あの時、目の前には大嫌いな美和の彼氏がいて


気がついたら、突き飛ばしてた……」



涙ながらに語る夏美。

だけど私は、夏美を許せない。
私の大切な人を、二度も傷つけた。


「……私、本当は美和のこと嫌いじゃなかったの……ううん、好きだったの……


美和にどんなことされても、嫌いになんてなれなかった。

優しくて、暖かい、美和が大好きなの…」

「…じゃあ、何で…!!」
雫が声を荒げる。



「……ずっと、友達だった美和をとられた気がしたの……」




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