-キミの声が聞きたくて-
「今から仕事があるから、私はこれで。」
そう言って翠さんが立ち上がる。
「傍に、いてあげてね。……いつ目を醒ましてもいいように」
「「「はいっ」」」
「ふふ。ありがとう」
そう言って、翠さんは病室から出て行った。
「…なんだか、優しそうなお母さんだね」雫が言うと、
「だって、陸翔のお母さんだもん」
と水野くんが言った。
「なるほどね」
雫は優しく笑った。
陸翔?
陸翔は、たくさんの人にこんなにも愛されてるね。
陸翔は、幸せ者だね。