-キミの声が聞きたくて-
今日は7月下旬。
だんだんと日差しが強くなり、暑くて仕方ない毎日が続く中、私は毎日病院に通う。
陸翔に会うために。
私は今日も陸翔の横で夏休みの宿題をする。
私は今日も、陸翔に話しかける。
病院の先生も、話しかけるといいって言ってくれた。
「陸翔?私ね、まだ言ってなかったけど夏美と話したよ。
夏美、私のこと“大切”だって。
泣きながら、謝ってくれたの。
だから、許しちゃった。
謝ったって、美波はかえって来ないし事故の前には戻れない。
逆に、私が許さなくても何も変わらない。
だから、許しちゃった。」