-キミの声が聞きたくて-
ゆっくりと病院への道のりを歩く私と雫。
「……ところで、」
私が雫に話しかけると、雫は“ん?”と首を傾げながらコチラを見た。
「…今日、水野くんは?」
「あぁ。直人、先生に呼び出されちゃって。遅れてくるんだってー」
残念。と呟く雫。
雫は夏休みから、ヒマを見つけては陸翔のお見舞いに来てくれる。
もちろん、水野くんも。
2人には本当に、感謝している。
私を、ずっと支えてくれてる。
昔から、そうだ。
雫は、私のことを誰よりわかってくれてる。
自慢の親友は、学校からこうして手を繋いだまま歩いてくれてる。
なんだか、昔みたいで懐かしいなぁ。
なんて………
そうそう、学校か、ら……!?
「あ!!!!!!」
「きゃっ」
突然の私の叫び声に雫がびくりと肩を揺らす。
「な、なにごと!?」
立ち止まり、私の肩を揺する雫。
「………学校…