-キミの声が聞きたくて-
翠さんからの電話を切り、私は全力で病院まで走った。
「ちょ、美和!?」
「真田さんっ?!」
雫と水野くんの声が聞こえたけど、振り向いてなんかいられない。
「はぁ…っ…はぁ…っ」
運動部じゃない私は、ちょっと走っただけで息が上がった。
……だけど、
そんなことも気にならないくらい、頭の中は陸翔だけでいっぱいだった。
早く、早く陸翔のところに行かなきゃ。
陸翔が………陸翔がっ…………!!!
《目を覚ましたって………!!!》