-キミの声が聞きたくて-
「直人。」
休み時間、
俺は直人の席に行き、相談しようと決意した。
「ん…?なんだ?」
椅子に座ったまま俺を見上げる直人。
「俺…俺さ。直人に…相談があるんだ」
俺の一言に直人は一度目を見開き、柔らかく笑った。
「……待ってたよ」
直人とは思えないような表情だった。
そっか。
俺、甘く見てたんだな。
直人と俺、もう長い付き合いじゃん。
親友じゃん。
俺のことくらい、お見通しだよな。
暖かい直人の表情に、自然と俺も笑顔になる。