-キミの声が聞きたくて-


私はその夜、雫にメールをした。


「“雫へ”
私ね、好きな人が出来たの。
雫だったら、分かるよね??
……私、坂井くんが好き。
人を好きになっちゃいけないのはわかってるの。
だけどね、好きなの。

どうしたら、いいんだろう…」


こんなメール、送ったって雫を困らせるだけなのに……


送ったあとに後悔する。


ピロリロリン♪
携帯が鳴る。
画面を確認すると“しずく”の文字。


「“美和へ”
美和、あんたバカじゃないの?
好きになっていいじゃない。
幸せになったっていいじゃない。

あんたは、何も悪くないんだから。

あんたは、美波の分まで笑わなきゃ。
美波の分まで、幸せにならなきゃ。
わかった?」


雫……






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