-キミの声が聞きたくて-
休み時間になり、長野に教室の端に呼び出された。
「何か…用…?」
いつもと雰囲気が違う長野に若干ビビりながらも尋ねる。
「お願いがあるの!!」
手を合わせて俺にお願いする長野。
「……お願いって?」
「美和のことなんだけどさ、」
“美和”
真田の名前が出ただけで
ドクン。と胸が高鳴る。
「坂井くんと挨拶がしたいみたいなのよね…」
“坂井くんと挨拶がしたい”
その一言に舞い上がる俺。
その事を悟られまいと、それっぽく誤魔化してみた。
「挨拶…?」