-キミの声が聞きたくて-
「…ちゃんと、“おはよー”だ。」
低く透き通る陸翔の声。
一言一言が私の心にジーンと響く。
ニッコリ笑う顔はやっぱり少年みたいに幼くて、可愛い。
女子のみんなから人気なのが良く分かる。
だって陸翔、顔だけじゃないんだもん。
顔もカッコいいのに、心も優しくて、暖かいんだもん。
好きに、なっちゃうよね。
そんなことを考えていると、自然と笑みがこぼれた。
「なーに笑ってんだか」
ポスッと頭を叩かれた。
だけど、全然痛くなかった。
いやじゃなかった。
むしろ、嬉しかった。