-キミの声が聞きたくて-
そして、6月も始め。
「陸翔♪」
ハイテンションな直人が俺の肩を叩いてきた。
「…んだよ」
若干不機嫌な俺。
理由はって…??
「…陸翔、雨が降りそうだからって、んな顔すんなよ~」
直人が頭をヨシヨシしてくる。
そう、俺は雨が大嫌い。
荷物増えるし(傘とか)
風呂とかプールとか以外で濡れるのは好きじゃない。
そして、
梅雨に入ってから美和が時折悲しそうに窓の外を見てるから。
元気のない美和をみて、何も出来ない自分に腹が立つんだ。
「……雨の日に、さ。言うことじゃねーんだけどさ……」
俯きながらモジモジする直人。
もしかして。
「………陸翔に、ご報告が。」
そんな直人に俺はすかさず
「……“待ってた”よ??」
そう言った。