-キミの声が聞きたくて-
「今からどこ行く?まだ5時すぎだよ~」
と、無理にテンションをあげる長野。
「せっかく駅前にいるんだし、もうちょっと遊んでこーぜっ」
直人もテンション高めで俺らに促す。
「そうだなっ。美和と長野はどっか行きたいところとか無いの?」
俺も、少しでも美和に笑顔でいて欲しかったからテンションをあげて2人に尋ねる。
「……」
悩んでいる様子の美和。
「そうね~……」
長野も同様に悩んでいる。
「どうすっかな~……」
直人も悩み始める。
最近よく遊ぶから駅前はほぼ制覇した。
どうしようかな……
そう考えていると、ふと後ろから声がした。
「美和……雫…?」
その声のした方をみる2人。
そんな2人の表情は強張っている。
誰だ……??
俺と直人は検討もつかず頭の上は“?”だらけ。
そんな中、口を開いたのは長野だった。
「…夏美………」