-キミの声が聞きたくて-
教室に入ると、机に突っ伏している長野がいた。
直人はそれを見るなりすぐに長野の元へ駆け寄る。
それにならって俺も長野の元へ行く。
「長野……??」
直人が控えめに長野を呼ぶ。
「…水野くん……」
目いっぱいに涙を浮かべている長野。
「何があったんだよ…!!?」
俺は焦って長野に尋ねる。
もしかしたら、美和のことかもしれない。
なんとなく、そんな予感がした。
「……美和、今日休みなの」
暗い表情で呟く長野。
「…なんで…」
俺は長野に尋ねる。
「私たちの話、してもいい……??」
遠慮がちに尋ねる長野。
「「…待ってたよ…」」
俺と直人はハモる。
そんな姿に長野も少しだけ笑みを浮かべ、“屋上で話そう”と提案してきた。
朝のホームルームまでまだ時間がある。
俺たちは時計を確認した後、屋上へ向かった。