-キミの声が聞きたくて-
「美和だって、“私のせいだ”って自分を責めてたの。
だけど、夏美の怒りはおさまらなかった。
相馬くんのお葬式の次の日から美和はイジメられるようになったの。
でも、美和は頑張って頑張って、ちゃんと毎日学校に来てた。
クラスのみんなは美和が悪くないことくらい知ってた。
だけど、美和を助ける勇気がなかったの。
私もそのうちの1人。
イジメはどんどんエスカレートしていった。
そんなある日、うちのクラスに転校生が来たの。
名前は“吉井美波”。
とっても明るくて、可愛くて、正義感が人一倍ある子だったの。
そんな美波がイジメにあってる美和を放っておけるワケもなくて。
美波は美和と友だちになったの。
美波が来てから美和も少しずつ笑うようになったし、クラスのみんなも美和を助ける美波が大好きだった。
情けない、勇気を出して助けてあげられない自分たち。
美波がいることでクラスの雰囲気も柔らかくなっていったの。