-キミの声が聞きたくて-
「…何があったかはさ、また落ち着いてから話してくれたらいいし、話したくなかったらそれはそれでいいから。」
そう言う水野くん。
水野くん、ミント系の爽やかな感じの匂いがする。
すごく、良い匂い。
男の子……だ…
ドクン。ドクン。
水野くんの心臓の音が耳に響く。
水野くんの胸板があたってる耳が、顔が、身体が、熱くて仕方ない。
なんだろう……
「…だから、今は思いっきり泣いちゃえ。そしたら、また笑えばいいだろ…?」
困ったように笑い、私を見下ろしている水野くんはとても高校生には見えないくらい大人びていて。
そんな顔に、優しさに、堪らなく泣きたくなって涙が溢れた。
水野くん、ありがとう。
水野くんの存在に、こんなにも救われた。
水野くんは私に“光”をくれた。
優しい、暖かい“光”。