-キミの声が聞きたくて-


「失礼しました」


そう言って職員室の扉を閉める。


期末考査、明日特別に受けられるようになった。

「…水野くん、すごかったね。あんな嘘、大丈夫なの?」

水野くんに尋ねると、
「ん…?大丈夫。俺のお父さん病院の院長だから。どうにでもなるかな」

ニコニコしながら答える水野くん。


「……水野医院だ…」

あそこ、水野くんのお父さんの病院だったんだ……。


水野くん、すっごく頼りになるな。

そんな風に思った。

「…だからさ…何とかなったから、明日からは目一杯の笑顔で過ごして。やっぱり長野には、笑顔が似合うから。」

また、困ったように笑う水野くん。

「笑ってね…?」

私の顔を覗き込み、尋ねる水野くん。


そんな水野くんにドキッとしながらも、私は水野くんに答える。

「…分かった」


私に出来る限りの、精いっぱいの笑顔で。




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