-キミの声が聞きたくて-
「………」
「………」
さっきから黙りっぱなし。
って言うか、男の子を部屋にあげたの初めてだから緊張するよ……!!!
家、教えたの雫だよね……!?
あとで問い詰めてやる…!!
「……あのさ」
急に陸翔が話し出す。
「…?」
話せない、相槌すら打てない私は首を傾けるだけ。
「長野から話、聞いた…。」
目を伏せながら話す陸翔。
そっか……
聞いちゃったのか……
でも、不思議と嫌じゃなかった。
陸翔だからか、嫌じゃなかった。
「俺は…なにも出来ない…」
そう言って眉を下げる陸翔。
“そんなことない”
言いたいけど、言えない。
そんな気持ちを表すよいに首を横に振る。
陸翔は、いつも私を助けてくれる。
分かってくれる。
私はそんな陸翔に感謝してる。
なのに、陸翔にこんな顔させてるのも私。