-キミの声が聞きたくて-


「……だけどさ、俺たちは友達のままだよな?だから、何かあったらいつでも頼って欲しいし、長野みたいに接してくれたら嬉しい。」


困ったように笑う陸翔に、私は頷くことしか出来なかった。


「…美和にはさ、長野がいて、直人がいて…家族がいて……俺がいるだろ?」


突然の投げかけに、コクンと頷く。


「…だから、何かあったらちゃんと頼れよ…」


そう言って私の頭をクシャクシャと撫でながら立ち上がる陸翔。


「…じゃあ俺、学校行くな。美和はどうする?休む?」

そう優しく問いかける陸翔に、“行きたい”という感情が芽生えた。


だけど……
私は顔をブンブンと横にふる。


「そっか…分かった。じゃあ、またな」


そう言って部屋から出て行く陸翔。

私はその背中を見つめることしか出来なかった。






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