-キミの声が聞きたくて-
“誰……?”
私が尋ねると、雫は“内緒だよ…?”と言ってきた。
私が誰にバラすというのだろう。
そう言うとこ、ちょっと抜けてるんだよね。
ま、可愛いから良いけど(笑)
雫はクラスを見回すと、何人か残っているのを気にしてか、手話で話し始める。
“み…ず…の…くん”
みずのくん………
水野くん……
水野くん!?
以外。
雫、水野くんが好きなんだ。
話してくれた雫に嬉しくて嬉しくて、笑顔で答えた。
“話してくれて、ありがとう。雫、大丈夫。頑張れ”
<話してくれてありがとう。雫なら大丈夫。頑張ってね>
私なりに伝えた、私の気持ち。
「……ありがとう」
私の言葉に雫も笑顔になり、雫の笑顔に私も笑顔になる。
なんか、友達とする恋バナって良いな。
改めてそう思った。