Sweet Chocolate Kiss(短編)
太くてたくましい逸都の腕の中。
『俺はお前が初恋なんだよ!!』
『……どうやらお前が好きみたい。』
逸都が言ってくれた夢のような言葉を何度も何度も心の中で噛みしめる。
告白を拒否されたあの日の夜、私はもう逸都とは幼なじみに戻れない…って…自分のとった行動を深く後悔していた。
なのに……
「…ふふっ。」
「…なんだよ。」
「夢みたい……。」
そう言って。
私は逸都の背中に手を伸ばす。
「な"っ!!おまえ~っ!!!」
私の突然の行動に驚いたのか、逸都は突然ビクッとカラダを揺らす。
だけどゴメンね、逸都。
この手は…放してなんてあげないよ??
回した手を腰の辺りでキュッと握ると逸都はまたビクッとカラダを揺らす。
――ふふっ。カワイイ。
俺様逸都も一皮剥けばただのウブな男の子。
こんな彼を知っているのは私だけなんだと思うと…少しだけ優越感。
もしかしなくても性格悪いなぁ、私。
でも…、嬉しい。
逸都とはもう普通に戻れないと思ってた。
もう二度と仲良しの幼なじみには戻れないと思ってた。
だから…
こんなに嬉しい形で、仲良しの普通の幼なじみから卒業できるなんて思ってなかった。
逸都が私のコトを好きになってくれる、こんな素敵な日がくるなんて…夢にも思ってもいなかった。