Sweet Chocolate Kiss(短編)
オレンジ色に染まる雲に、オレンジ色に染まる空。
夕方特有の鮮やかな暖色色の空が私たちを柔らかな光で包む。
逸都の髪も瞳も夕焼けに照らされて、ほんのり明るいオレンジ色に染められている。
自分に素直でまっすぐな逸都。
夢に向かって一生懸命で努力家の逸都。
口は悪いけれど優しくて思いやりのある逸都。
それに…何気にイケメンの逸都。
いつだって逸都は私のヒーローで、憧れで…自慢の幼なじみだった。
そんな彼が幼なじみじゃなくオトコノコに変わるまでに…そんなに長い時間はかからなかったように思う。
逸都が欲しくて、
欲しくて…
好きで
好きで、それしかなくて。
でもこの関係を崩すことが怖くて、気持ちを隠すことしかできなかった私の切ない恋。
それが…
彼が私を好きだと言ってくれる日がくるなんて。
私のセイだと言って…こんなに取り乱してくれる日がくるなんて。
夢みたい
夢みたいだよ。
こんな日がくるなんて。
こんな奇跡が起こる日がくるなんて。
大好き。
逸都が大好き。
好きで好きで…死んじゃいそうだよ……。
「…ふっ…、うぇっ……。」
気がつくと…
私の顔は涙でグチャグチャになってしまっていた。