Sweet Chocolate Kiss(短編)
「ちょっ…痛いよ、逸都。」
抗議の声をあげても逸都は素知らぬ顔。
「あぁん!!??ウルセェな。チョコごときが俺様に指図すんじゃねぇ!!」
ギロッ
逸都は“黙れ”とでも言うかのように凄く怖い目をして私を睨む。
うぅっ……、ヒドイ。
180センチ近くある逸都から見れば158センチしかない私は、お子ちゃまも同然。
20センチ以上ある身長差は隣に並ぶとコントにしか見えない。
は~…。
私がもうちょっと可愛ければ、この身長差も生かせただろうに~。
軽く自己嫌悪に陥りながら、スポーツドリンクをメンバーに回していると。
「あの……。
佐藤センパイ、いらっしゃいますか??」
ちっちゃくて
かわいくて。
少女マンガの中から抜け出してきたかのような美少女が、体育館の入り口から申し訳なさそうにチョコンと顔を出した。