Sweet Chocolate Kiss(短編)
窓から入る春の光を浴びながら
楽しそうに男友達と戯れる逸都。
――かわいいなぁ
ホクホクした気持ちでニマニマしながら逸都を見つめていると
「アンタ…、ホントにハヤトのこと好きなのね。」
肩肘をつきながら心愛が呆れたようにしみじみと呟く。
「え、えぇっ!!??」
気持ちをまんまと言い当てられて
挙動不審にあたふたしていると
「そんなに好きなのにさぁ。チョコはまだ見てるだけで満足できるワケ?」
…ぐっ……。
「このまま逸都があのクッキー女と付き合っちゃってもいいワケ?」
……い、いやだ!!
それだけは絶対にイヤだ!!!
身体中の全勢力をあげてブンブンと首を振ると
「なら…、ボーッとせずに動かなきゃ。今のまま見てるだけじゃ何にも進展しないわよ?」
そう言って。
心愛は私の手の上に何かをポンッと置いた。