Sweet Chocolate Kiss(短編)
逸都から吐かれるであろう暴言達を想像して、ズーンと暗くなっていると
「あのねぇ。怖い、怖い、言ってても何にも解決しないのよ?」
組んでいた足を組み直して、呆れたように心愛は私の顔を見つめる。
「そんなのわかってる。」
「…わかってない。
わかってないからアンタは動こうとしないのよ。」
「ちが…っ」
「違わない。」
ピシャリと言い放つ心愛の口調にヘタレな私は一瞬ひるむ。
そんな私を見てハァとため息を吐くと
「この際だからハッキリ言ってあげる。
アンタがハヤトを好きな時点でアンタ達は幼なじみなんかじゃないわ。」
「…え……??」
私が…好きなセイで…??
どうして??
意味がよくわからない。
私と逸都は家がお隣さん同士
生まれた時からの幼なじみ
それが私たちのポジションだったハズなのに…
心愛は“アンタ達はもう幼なじみなんかじゃない”と言う。