Sweet Chocolate Kiss(短編)
意味がわからない。
なんで?
なんで私と逸都が幼なじみなんかじゃないって言うの?
心愛が言っている意味が全くわからずポカンとしながら彼女の顔を見つめていると
「チョコ。幼なじみっていうモンはね、恋愛感情を持たない関係性でのみ成り立つ関係だとあたしは思う。」
そう言って。
心愛は抹茶オレをズズッとすする。
そしてしばらく間を置いた後。
私の顔を正面から見つめてこう言った。
「アンタが逸都に惚れてる時点でアンタと逸都は幼なじみなんかじゃない。
ただの…男と女よ。」
ただの…男と女……。
私はその言葉を何度も反芻する。
私は今まで逸都は幼なじみだから、告白なんてしちゃいけないんだと思ってた。
変なコトしてこの関係が崩れてしまうことが何よりも怖かった。
逸都のバスケを邪魔したくないなんてカッコいいこと言いながら…本当は怯えてただけなんだ。
だって…
逸都はいつも隣にいるから。
告白しても
フラれても
嫌われても
逸都は私の隣にいるから。
気まずい関係にはなりたくなくて…私はきっとずっと逃げてた…。